泉質別適応症・禁忌症(平成26年改訂版)

療養泉に分類される温泉には、それぞれの泉質ごとに異なる適応症が定められています。

【療養泉の一般的適応症】 すべての療養泉に共通する適応症です。
・筋肉もしくは関節の慢性的な痛み、こわばり
・運動麻痺における筋肉のこわばり
・冷え性
・末端循環障害
・胃腸機能の低下
・軽症高血圧
・糖尿病
・軽い高コレステロール血症
・軽い喘息または肺気腫
・痔の痛み
・自律神経不安定症
・ストレスによる諸症状
・病後回復
・疲労回復
・健康増進

【泉質別適応症】 療養泉ごとの適応症です。

泉質浴用の効果飲用の効果
単純温泉自律神経不安定症、不眠症、うつ状態なし
塩化物泉きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症萎縮性胃炎、便秘
硫酸塩泉きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症胆道系機能障害、高コレステロール血症、便秘
炭酸水素塩泉きりきず、末端循環障害、冷え性、皮膚乾燥症胃十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、糖尿病、痛風
硫黄泉アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症糖尿病、高コレステロール血症
酸性泉アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、糖尿病、表皮化膿症なし
二酸化炭素泉きりきず、末端循環障害、冷え性、自律神経不安定症胃腸機能
含鉄泉なし鉄欠乏性貧血
含ヨウ素泉なし高コレステロール血症
放射能泉痛風、関節リウマチ、強直性脊椎炎なし

また、温泉には禁忌症も定められていますのでご注意ください。

【温泉一般の禁忌症】
・病気の活動期
・活動性の結核、進行した悪性腫瘍、高度貧血など身体衰弱時
・重い心臓、肺、腎臓の病気のある時
・消化管出血や、目に見える出血がある時
・慢性の病気の急性増悪期

【泉質別禁忌症(浴用)】
<酸性泉、硫黄泉>
・皮膚または粘膜過敏症
・高齢者の皮膚乾燥症

【含有成分別禁忌症(飲用)】

成分制限量禁忌症
ナトリウムイオン1200 mg塩分制限の必要な病態(腎不全、心不全、肝硬変、虚血性心疾患、高血圧など)
カリウムイオン900 mgカリウム制限の必要な病態(腎不全、副腎皮質機能低下症)
マグネシウムイオン300 mg下痢、腎不全
ヨウ化物イオン0.1 mg甲状腺機能亢進症