療養泉に分類される温泉には、それぞれの泉質ごとに異なる適応症が定められています。
【療養泉の一般的適応症】 すべての療養泉に共通する適応症です。
・筋肉もしくは関節の慢性的な痛み、こわばり
・運動麻痺における筋肉のこわばり
・冷え性
・末端循環障害
・胃腸機能の低下
・軽症高血圧
・糖尿病
・軽い高コレステロール血症
・軽い喘息または肺気腫
・痔の痛み
・自律神経不安定症
・ストレスによる諸症状
・病後回復
・疲労回復
・健康増進
【泉質別適応症】 療養泉ごとの適応症です。
泉質 | 浴用の効果 | 飲用の効果 |
---|---|---|
単純温泉 | 自律神経不安定症、不眠症、うつ状態 | なし |
塩化物泉 | きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症 | 萎縮性胃炎、便秘 |
硫酸塩泉 | きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症 | 胆道系機能障害、高コレステロール血症、便秘 |
炭酸水素塩泉 | きりきず、末端循環障害、冷え性、皮膚乾燥症 | 胃十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、糖尿病、痛風 |
硫黄泉 | アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症 | 糖尿病、高コレステロール血症 |
酸性泉 | アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、糖尿病、表皮化膿症 | なし |
二酸化炭素泉 | きりきず、末端循環障害、冷え性、自律神経不安定症 | 胃腸機能 |
含鉄泉 | なし | 鉄欠乏性貧血 |
含ヨウ素泉 | なし | 高コレステロール血症 |
放射能泉 | 痛風、関節リウマチ、強直性脊椎炎 | なし |
また、温泉には禁忌症も定められていますのでご注意ください。
【温泉一般の禁忌症】
・病気の活動期
・活動性の結核、進行した悪性腫瘍、高度貧血など身体衰弱時
・重い心臓、肺、腎臓の病気のある時
・消化管出血や、目に見える出血がある時
・慢性の病気の急性増悪期
【泉質別禁忌症(浴用)】
<酸性泉、硫黄泉>
・皮膚または粘膜過敏症
・高齢者の皮膚乾燥症
【含有成分別禁忌症(飲用)】
成分 | 制限量 | 禁忌症 |
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ナトリウムイオン | 1200 mg | 塩分制限の必要な病態(腎不全、心不全、肝硬変、虚血性心疾患、高血圧など) |
カリウムイオン | 900 mg | カリウム制限の必要な病態(腎不全、副腎皮質機能低下症) |
マグネシウムイオン | 300 mg | 下痢、腎不全 |
ヨウ化物イオン | 0.1 mg | 甲状腺機能亢進症 |